鍵のない夢を見る
辻村深月/著
文芸春秋社
1,470円(税込)

町の中に、家の中に、犯罪の種は眠っている

誰もが顔見知りの小さな町で盗みを繰り返す友達のお母さん、結婚をせっつく田舎体質にうんざりしている女の周囲で続くボヤ、出会い系サイトで知り合ったDV男との逃避行――日常に倦んだ心にふと魔が差した瞬間に生まれる「犯罪」。現代の地方の閉塞感を背景に、ささやかな欲望が引き寄せる奈落を鮮やかにとらえる短編集。ひとすじの光を求めてもがく様を、時に突き放し、時にそっと寄り添い描き出す著者の筆が光る傑作。





冥土めぐり
鹿島田真希/著
河出書房新社
1,470円(税込)

あの過去を確かめるため、私は夫と旅に出た――裕福だった過去に執着する母と弟。彼らから逃れたはずの奈津子だが、突然、夫が不治の病になる。だがそれは完き幸運だった……著者最高傑作!





舟を編む
三浦しをん/著
光文社
1,575円(税込

玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。 定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。 個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく――。 しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか――。






カラマーゾフの妹
高野史緒/著
講談社
1,575円(税込)

話題騒然の本年度江戸川乱歩賞受賞作!!

あの世界文学の金字塔には、真犯人がいる。 世界文学の最高峰として名高い『カラマーゾフの兄弟』には第二部がある。ドストエフスキーはその予告をしながら、ついに書き上げることなく世を去った。そしていま、文豪の残した壮大な謎に緻密な推理で挑む、かつてなく刺激的なミステリーが誕生した。 これを読まずに、今年のミステリーは語れない。 不可解な「父殺し」から十三年。有名すぎる未解決事件に特別捜査官が挑む。 トロヤノフスキーは愕然とした。当時の弁護士は真相まであと少しというところまで迫っておきながら、最も重要な点を見逃している。極めて重要な、絶対に見逃してはならない点をだ。(本文より)







県庁おもてなし課
有川浩/著
宝島社
1,680円(税込)

とある県庁に生まれた新部署「おもてなし課」。若手職員・掛水は、地方振興企画の手始めに、人気作家に観光特使を依頼するが、しかし……!?お役所仕事と民間感覚の狭間で揺れる掛水の奮闘が始まった!?

2010年12月1日〜翌年11月31日の期間に国内で発売された小説作品からノミネート作品を選出し、読者の投票によって決定しました。





弁護士探偵物語 天使の分け前
法坂一広/著
小学館
1,470円(税込)

「殺した記憶はない」母子殺害事件の容疑者・内尾は言った。裁判のあり方をめぐって司法と検察に真っ向から異を唱えたことで、弁護士の「私」は懲戒処分を受ける。復帰して間もなく、事件で妻子を奪われた寅田が私の前に現れた。私は再び、違和感を抱えていた事件に挑むことに。その矢先、心神喪失として強制入院させられていた内尾が失踪。さらに周囲で不可解な殺人が起こり…。『このミステリーがすごい!』大賞第10回大賞受賞作。














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